吉村順三展
吉村順三展へ。
写真は入り口付近にある原寸大に引き延ばされた軽井沢の山荘の矩計と原寸大の俺。
こうしてみると軽井沢の山荘は以外すぎるほど小さい。俺がデカイという事を差し置いても、である。
ここからも吉村順三の設計の一つの特徴である「実生活を基盤とした日常的なスケール」を読みとる事ができる。
展示に関しても、簡素なパネルや精巧な模型、仮設の低天井によって吉村順三的な日常的スケールに調整されていたりして好感が持てるものになっている。
吉村順三の建物を体感した事がないのでなんとも言えないが、展示を見る限り、なんとも気持ちよさそうで、氏の設計が「いかに快適な生活の空間をつくるか」というすまいの本質的な部分に真摯に答えた結果なのだと納得させられる。
本当にすごいなと思うのは本来生活の仕方は十人十色であるはずで、軽井沢の山荘なんかは自邸だから吉村順三個人の快適な生活というというものを考えた結果の家のはずで、にもかかわらず万人に「気持ちよい」空間だと思わせるところ。
友人やweb等を見る限り、吉村順三の空間を経験した人や吉村順三展を観た人ほとんどが同じように「気持ちよい、気持ちよさそうな空間だ」と感じるのは実は不思議。
だって例えば人によって快適な寸法って違うよねぇ。椅子の座面の高さとかさ。それを突き詰めていけばいくほど使用者を想定せざる得ないと思うのですよ。なのにみんなが気持ちいいと感じる空間...
たまたま氏の個人的な生活の価値観が万人に受け入れられるものだったのか、それとも万人の快適さを念頭に置いた設計だったのか、そもそもそんな区別自体が無いのか...
展示からではそれを読みとることができずに、帰り道でもやもやそんな事を考えたのでした。
勉強不足かな。もうちょっと吉村順三勉強してみよう。
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