November 03, 2004

建築文化休刊

建築 ,

ですってよ。SDに続いて文化もか。不況ですか。建築業界。
購買層が貧乏だもんね。
以後は建築文化スペシャル版として刊行される模様。
もともと企画もののスペシャル版って感じだったもんね。
個人的にはトップのコラムみたいなのが好きだったんだけど。
いっそのこと流行のフリペで出してみるってのはどうですか?

http://www.shokokusha.co.jp/

August 03, 2004

デザインのデザイン

デザイン ,


4000240056.09.MZZZZZZZ.jpg デザインのデザイン(原研哉 著、岩波書店、2003)を読む。

タイトルの意図するところはよくわかんないけど、どうやらそのよくわかんないところがミソみたい。

この本はデザインをわからなくする本らしい。

こういう本を手にする時、デザインについて、なにか画期的な衝撃的な答えみたいなものを期待してしまうのだけど、この本は、そういうデザインとはなんぞや?みたいな単純な問いに対しての答えが書いてある本ではない。むしろその問いを投げかけている。オレはこんな事やってこう思うんだけど、みんなどう思う?みたいな感じ。この本極端に要約するとそんな感じ。

だからまえがきには、コップを例に挙げて、普段コップについてよく知ってるつもりでも、それをデザインしなさいと言われた途端にコップの事が少しわからなくなる、コップってそもそも何?コップをどんどん平にしていくとお皿になる。お皿との境界はどこ?みたいな感じで。
それと同じように、この本を読んでデザインが少しわからなくなったとしても、それはデザインに対する認識の後退ではなく、さらに奥へ一歩踏み込んだ証拠だと。
そんなような事が書かれている。この本を読んでもっとデザインのことをわからなくなればいいのだ。

面白かったのは、リ・デザインや無印や愛知万博やVISUALOGUEなど自身が関わっている(た)プロジェクトに関してのところ。無印って田中一光だったのね、知らんかった、とか。愛知万博は初期の案の方がどう考えてもいいな、とか。

文章自体すごく読みやすく、いい意味で引っかかるところがいくつもある、良本でした。

July 26, 2004

コールハース ドキュメント

建築 ,

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行動主義—レム・コールハース ドキュメント(瀧口範子 著、2004、TOTO出版)を読む。

おもろい事を思いついたものだ。コールハースの追っかけをやるなんて。
そりゃもう、みんな気になってるんだ。ここ何十年の建築界をリードし、建築家界に多大なる影響と敬意と混乱なんかを与え続けてきた革新的建築家が何を考え、日々どういう生活をして、どのように仕事をしているのか。そしてどのような背景であの魅力的な建築がつくられていくのか。この本はそれを「追っかける」という手法をもっていて明らかにしようとしている本だ。

序盤はホントに「コールハース追っかけ記」といっていいほど、淡々と事実が記述されている。コールハースの行動の軌跡や、コールハースとのアポイントのとれなさ具合、そのアポイントすらすっぽかされる様、著者とコールハースとの会話なんかから、コールハースという人がだんだん浮かびあがってくる。多忙さや勢い、好奇心、饒舌、批評...コールハースを語るキーワードは山ほど出てくる。

後半はインタビュー編となっており、コールハースへのインタビューの他、周辺の人々へのインタビューが載っている(伊東豊雄やセシル・バルモンド等)。著者が周辺の人々に聞くことでコールハースを明らかにできると思いつくのは至って自然な思考である。それほど多くの人とコラボレートしている。

コールハースの人としての一番の特徴はどうやら「浸食」なんじゃないかと思われる。世界中を飛び回り、有能な人々をどんどん巻き込み、建築だけでなく雑誌等のメディアや政治、AMOの設立など、その興味はどんどん外へ外へ広がって行く。凝り固まった建築界を抜け出してより社会的なフィールドで戦っているという感じか。そのための武器としての「ダイアグラム」というツール。饒舌。バイタリティ。

この本の意義もそこにあると思われる。つまり建築家たちはコールハースの建築的な特徴ばかりに目を捕われず、その背景にこそ刺激を受けるのであり、その背景を描き出したモノは未だなかったからである。またそれでいて建築家だけでなく、すべての人に刺激を与える本である事は間違いない。

July 17, 2004

ABC ???

下のエントリーのコメントから。全然知らんかった。
うわぁー!!ありえねー!!なぜ潰れる?スゲー困る。
ABCって結構売れてる風だったよねぇ。
某事務所の近くにあった事もあって、思い出深い本屋なんだけど...
あの今月の売れてるデザイン本ランキングって、実は総数けっこう少なかったのかなぁ。

ということでところで話題に。

June 28, 2004

任意の点P

デザイン ,

なんか最近佐藤雅彦に完全にヤラレています。
今日の本は「任意の点P」。立体視の本。
微妙に異なる2つの絵をレンズを通してみると、なんとも不思議なリアリティのある奥行きをもった立体に見えるという代物。
これがまたタノスィーんだ。線香花火とか。マジ3Dですもん。スゴいよコレ。

3年前ぐらいに出てた、ドイツの建築事務所sauerbruch hutton architects(ザウアーブルッフ・ハットン・アーキテクツ)の「WYSIWYG」という本もこの立体視でできてて、その時は全然立体に見えなくて、なんじゃこらと思ったんだけど、見えるようになった今、すごいこの本が観たくなった。外装とかスゴいかわいいし、金があったら買おう。

June 13, 2004

カーン

建築 ,

ルイス・カーン特集の今月号Casa BRUTUSを買う。
ちなみに表紙のコピーは「なぜ、建築ツウは、ルイス・カーンが好きか?」。
というのも最近ちょっとした事(★)から、いままで上っ面をなめた程度にしか興味がなかった近代建築つーものに興味を持ち始め、ちょっと勉強しようと、コルビジェやらミースやら近代建築に関する本を買ったり立ち読みしたりしていたわけで、当然のようにカーンの本も見るわけだけど、住宅に関してはいい本がでてるけど、カーン全作品に関していい本って無くないですか?って思ってたとこだったから買っちゃったわけですわ。
それにしてもそんな動機の時にカーサ買うなよオレ。そういえば最も上っ面なめてる文献だよねカーサって。妻の話しとか、また違うとこで深いけども。
あと、カーンの息子が撮った「MY ARCHITECT」っていう映画が全米で人気らしい。日本公開は未定らしいけど観てみたい。

(★)例としては某建築事務所での面接で圧倒的なほどの建築無知をさらけだして最悪な面接になって当然のごとく不採用といった類いの出来事。例えばね、例えば。

June 11, 2004

デザインの生態学

デザイン ,

デザインの生態学(後藤武・佐々木正人・深沢直人 著、東京書籍、2004)を読む。

スゴいですよーコレ。なんたって帯の販促コピーが「新しいデザインの教科書」だもの。こりゃ大きくでたよ大丈夫?という感じなのだけども、アフォーダンスを実際のデザイン手法に展開しちゃおうという目的で書かれていて、その姿勢はいままでにないものだと思う。

でも、青木淳だったと思うけどなにかの文章かインタビューで、「アフォーダンスは設計のツールにはならない」と言っていた気がする。つまりアフォーダンスは設計において重要な要素だけど、設計手法へと展開できるような、設計にツカエルものではないっていうような意味だったと思う。うろ覚えなのでその真意は定かではないけども、なんかこの本を読んでるとどうも、ツカエルんじゃねーのアフォーダンス、という気になってくる。いや、なってきた気になってくる。アフォーダンスについて、わかったような気もするし、わかってない気もする。オレは頭が悪いのか?

とにかく、内容自体がわかりにくいのだ。3人が3人とも好きな事言いたい放題って感じで、3人で話してるディスカッションの所なんてほんとわけわからんよ。だって前の人の質問に答えてねーもん全員。編集ミスってないかい?ってぐらい。まぁそもそも答えはコレですって書いてあるような本ではなくて、言いたい事の断片をぶちまけたって感じの内容だからそこから何を読むかってのは読み手の問題なのか?オレは頭が悪いのか?

すいません、もっかい読んでみます。

May 17, 2004

日本のスイッチ

日本のスイッチ(監修:佐藤雅彦)を読む。
毎日新聞とケータイサイトで毎週8つの2択質問をして、日本の現状、本当の日常を明らかにしちゃおうというプロジェクトのまとめ本。
例えば、
・日本人のルイヴィトン購買量世界一は
 恥ずかしい 85% 誇らしい 14%
・夜道で身の危険を感じたら駆け込むのは
 交番 20% コンビ二 79%
とか。
なかなかおもしろいです。さすが佐藤雅彦。ウマい。
普段気づかない物事をなんらかの方法で明らかにするという意味で完全にアートしてると思う。かなり誘導尋問的質問も多々みられるけど。
ちなみにまだ進行中なので、今週の質問に参加してみました。
暇な人は、メニュー → ニュース → 新聞 → 毎日新聞 → 日本のスイッチ へ急げ!!

May 11, 2004

現代住宅研究

建築 ,

現代住宅研究(塚本由晴+西沢大良、INAX出版)を読む。
20世紀後半の建築雑誌に掲載された建築家設計の住宅をリストアップし、「配置」「小さな建物」「アウトドア」といった各項目(塚本氏いわく「アイテム」)を切り口に現代住宅に対して批評・評論している本。
情報量の割にはすんなり読めた。てか紹介されてる全住宅の写真見てぇ。あぁ芸工図書館行きてぇ。この本はもう一冊、現代住宅研究-図版編-がいるね。
個人的におもしろかったアイテムは「〜100%」。
篠原一男氏の作品に非常に多く言及していて、改めて氏が現代住宅最重要人物であることを実感。