September 17, 2004

SD Review 2004

SD Review2004へ。建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展。
若手建築家の登竜門的存在。
初めて見に行ったけどおもろいッスねSDレビュー。以下気になったものをいくつかレビュー。

「やながせの作法」 大前+布村+平野+中村+鈴木
ちょっとしたお知り合いの大建metさん。やながせ商店街の活性化案で、従来の再開発ではなく、やながせには「やながせの作法」があるだろうという提案。模型やプレゼが楽しげで最高です。さすが。
「2004」 中山英之
2層分の高さに3層をつくるという家。ちょっとした動きで空間が劇的に変化するという提案。 ドローイングが手書きなのが目を引く。
「T邸」 岩成 尚
四角い箱を斜めの壁によって分節することによって多様な関係性をつくりだそうとしている案。
「House H」平田晃久
小さい部屋がちょっとずつ連続してる家。イメージとしてキャベツの断面のような家ということらしい。 模型がマジコンクリだったり、かわいい内観映像があったり。案としてもプレゼとしてもこれが一番よかった。
「Twinskin House」 ピーター・ボロンスキ
外国っぽいなーと思ったらやっぱり外国人の人でした。造形的にすごいカコイイ。模型も敷地の部分が細い棒のフレームでつくられてるのがなぜ?って感じだけどイカしてる
「Kagota seminar house」 宮 晶子/STUDIO2A
平屋の床と天井に挟まれた部分に小さな壁がある間隔をもって並べられている。部屋っぽいところもあるけど全体がひとつながりともなっているという空間。
「SHIKAKU 視角」 田根 剛
新建築かなんかにも載ってた気がする。 舞台装置で、最初何もないフロアで演じられているところにこの壁が降りてきて、舞台を分節するというもの(だったと思う)。小さい板の集合が壁となっていることによっておもろ空間ができている。

全体的にいかに空間を分節するか、もしくはいかに部屋どうしの関係を多様なものとするかという案が多かったような気がする。キーワードは「小さい」かな。
それにしても伊東豊雄事務所の人が3人も入選してるよ。すげーな。

July 20, 2004

現代日本デザイン100選

546dezain100.jpg

現代日本デザイン100選を観る@川崎市市民ミュージアム。
文字通り現代日本のデザインを100点展示するというもの。なのに展示のほとんどがプロダクト(製品)デザインなのはなんでだろう。デザインってーのはもっと範囲の広いコトバでは?この内容ならば本来なら展示会のタイトルは、「現代日本の製品デザイン100選」とかにすべき。

さて100選。100っていうとかなりの量を観ることを覚悟してたのだが、展示はあっと言う間に観れてしまった。展示会場も小さくこぢんまりとまとまっていた。
展示はオレが最も嫌いな「作品にお手を触れないでください」な展示。別にいーじゃんねー。触んなくてその作品の何がわかるというのか。いやホント深刻な問題だと思いますよ全国の学芸員様。展示する意味無いっすよ。

選ばれているモノは、AIBOプレステ2から、無印の壁掛けCDプレイヤーHoney-popカドケシやキッコーマンの醤油瓶など多岐に渡っていて面白い。特に自分が知らなかったモノに出くわしたり、知っていたけど気にしていなかったモノの良さを発見させられたりと、楽しく、新鮮。

こういうのは選定委員によって大きくその趣向が変わってくると思う。
選定委員は、柏木 博(武蔵野美術大学教授)/小泉 誠(デザイナー)
紫牟田伸子(情報デザイン研究所長)/深川雅文(川崎市市民ミュージアム学芸員)の4人。
デザイン100選とかいうといかにも現代日本を代表する100だという匿名性が先立つけども、あくまでこの4人による100選なので、?と思う部分も多々ある。
小泉さんが入ってるから「9坪ハウス」が最後の方に入ってるし(なぜか唯一の建築作品)、パンフとかのグラフィックデザインを佐藤卓がやってるせいか、「キシリトール」と「写ルンです」が入ってるし。自分のを選ぶっては当然と言えば当然だけど、どうなのよ?っていう疑問が残らなくもない。

ってよくみたら全部で105個展示されてるし。なんかよーわからんなー。

June 22, 2004

GA INTERNATIONAL 2004

GA INTERNATIONAL 2004を観にGA galleryへ。
GAの展示って本みるのとあんまし変わんない。
500円もとられるのに。
しいて挙げれば模型がみれるっていうのがあるけども。
もうちょっと展示を考えてほしいなぁ。

May 27, 2004

西沢大良展

ギャラ間の西沢大良展へ。

模型デカッ!
ギャラ間の展示室に模型が3つだけという思い切った展示方法。これだけデカイと建物の中に入った時の感覚も疑似体験できるぐらいデカイ。

2430.jpg
大田のハウス
模型1/4だって。すげぇデカイ。周りの建物や車とかも同じ精度でつくられてる。

KC310005.jpg KC310007.jpg
諏訪のハウス
これも1/4。模型を覗き込むと人形が妙に浮いて見えるぐらいリアル。

KC310003.jpg KC310001.jpg
砥用町林業総合センター
木のトラスで大空間をつくり、必要天井高に対応するように変形しているという建物。の模型1/6。模型の下からくぐって中に入れちゃったりする。

どうやら氏の主題としているのは「アクティビティと立体」らしい。つまり今までの機能主義や形式主義では動線などの平面図に落とせるようなものでしか人々のアクティビティに対応できないと。昔はそれでよかったが、現在そのアクティビティは異常に多様化し、立体でとらえないと対応できんだろうと。たしかそんな感じの事をいってた。
それを聞いて模型のデカさに納得の展示でした。

April 27, 2004

オルタナティブモダン 第3回 藤本壮介

TNプローブ連続レクチャーオルタナティブモダン第3回講演会「藤本壮介」へ。
すごく印象的だったのはなんといっても、藤本さんがしきりに発していた、「新しい」「面白い」「好き」というコトバ。藤本さんらしいなぁ。建築家でこうはっきりとこのコトバたちを口にする人は外にいないんじゃないだろうか。世の建築家たちは異常に理論武装しようとするからこれらのコトバを使うのを避ける場合が多い。議論のほとんどの返答の語尾はこれらのコトバで占められてた。聞いてた人の中にはこれをもどかしいと感じた人も多かっただろう。でも藤本さんの建築への姿勢がモロにでてて個人的には「面白」かった。

藤本さんは作品とそれらのリソースのスケッチを等価に並べた「ふじもとマンダラ」なるものを用いたり、バッハの楽譜(別にバッハである必要は全くない)を使ったりして自作を説明していく。楽譜の説明はわかりやすく、面白かった。楽譜の音符のない状態(5本線とテンポが決められた状態)を、ミースのユニバーサルスペースとして捉え、それを大きな秩序でつくられている例として示した。それに対してぐちゃぐちゃに歪んだ楽譜を見せながら、大きな秩序でつくられるのではなくて、「部分」と「部分」でつくられていくような、「弱い建築」、「あたらしい座標系」をつくりたいと語っていた。

こんな感じで、近代建築の礎であるコルブやミースやカーンなんかに対抗意識ムンムンでそれよりも本質的に「新しい」ものを求める純粋な姿勢にはホント脱帽です。

こんなこと言ってると当然のように「使う人は満足してるの?」とか「抽象的すぎて具象を切り捨てすぎているのでは?」みたいな質問が飛ぶわけだけど、「満足してるみたいですよー」とか「いや行くとけっこういいですよー」とかいってノラリクラリ。でも不思議と実際スライドやビデオを見る限りホントに気持ち良さそう。というのもどうも藤本さんの建築はカタチの問題に比重が置かれすぎてるように見えがちだけど、そもそもカタチの問題と人のアクティビティがセットで考えられてるから当然といえば当然か。

ってまだ33歳なのねー!若っ!

April 26, 2004

45歳以下の建築家45人展

を観に埼玉県立図書館へ。その名の通り日本の45歳以下の建築家たちが45人も大集合しちゃう展覧会で、設計事務所へ就職活動中のオレとしてはまるで大企業展。どの事務所にはいろうかななんてウキウキしながら電車にのったものの、展覧会としてはそんなにおもしろくなかった。
この手のいっぱい集めました系のカタログ的展覧会はあれだね、所詮カタログを超えられんね。一人一人の展示がどうも薄すぎてパンフレットをみる以上の何かが得られない。あるとすれば、模型を生でみれることぐらいか。ビデオもウェブでみれるし(この展覧会のはみれないけど)。
その中でも、藤本壮介氏は目立ってた。安中の模型や35cmピッチで板を積層したやつとか住宅のプロジェクトなど、もうキレキレです。あとはアトリエワンのガエハウスのビデオ。塚本氏が家を訪問するドキュメンタリーのような映像。実際建物が使われているところが見れるのはビデオならではで吉。
独立した建築家だけでなく組織設計に所属する人も何人か登場するのだが不発。そういうインハウスの人達に共通して模型はすごくきれい。あとは...だいたい雑誌やらウェブやらで見てるからなぁ。今更なにもない。ウィーンで開催されたのの日本巡回展らしいのでしょうがないか。

承孝相と張永和展

tenji.jpg

ギャラ間の承孝相と張永和展へ。ソウルの建築家、承孝相(スン・ヒョサン)と北京の建築家、張永和(ユンホー・チャン)のアジアつながり抱き合わせ展示企画。日本以外の東アジア建築家の作品にふれたことがないのでドキドキ。意外といっては失礼だけど、よかった。それもすごく。

seung4.jpg seung2.jpg seung1.jpg seung3.jpg

まず入ると3階フロアがスンさん。
展示はこの人大好き素材のコールテン鋼が壁面いっぱいに並べられていて、そこに秩序立てられたテキストが配置され、それとは対照的に模型や写真がランダムに展示されている。展示室中央はガランとあいている。解説によるとどうもこの展示形式自体が彼の建築的理念を象徴しているらしい。つまり「秩序/ランダム」と「void」がキーワードとなっているらしい。詳しくはギャラ間のHPの展覧会レポートに書いてあるのでそちらを参照されたし。
個人的な感想としては、「void」を意識して設計されているせいもあって、すごくヴォリューム的というかマッス的な表現が多いということ。ウェルコムシティ(左2つの写真の建物)なんかはその最たるもの。低層部をコンクリートの基壇として、その上にコールテン鋼の小さな建物がのっていて、それらの間が「void」となっているという構成。これすごい好き。なんというかこのマッス感というかボテッとした感じが最高。

yung4.jpg yung1.jpg yung2.jpg yung3.jpg

次、4階フロアがユンホーさん。この人で一番驚いたというか面白かったのが、事務所の名前が「非常建築」というところ。「非常建築」て!。中国だと「非常」には日本とは違う意味があるらしいんだけど、どんな意味だったかは忘れた。印象的な作品は左2つの写真の計画。なんか卒制みたい。

全体的な印象としては、二人ともなんか作風が似てるなぁということ。というかこの二人だけでなく、日本にしても海外にしても、現代建築というのは完全にボーダーレス化しっちゃってるのかも。韓国・中国の風土独特の建築を期待していた身としてはそういう点で残念でした。

April 06, 2004

六本木クロッシング/クサマトリックス

六本木クロッシング、クサマトリックスの両展示を観に森美術館へ。
六本木クロッシングの方は、アート、デザイン、建築などの多ジャンルから総勢57人のアーティスト、クリエイターの作品を集めた展覧会。印象的だったのは、合田誠と笹口数の作品。合田誠のMONUMENT FOR NOTHINGは、高さ6mほどのビッグスケールの絵で、女が米俵をかついでいる。ド迫力。笹口のcoastは天井から吊り下げられたいくつもの黒い玉がしだいに3次元の人イメージを浮かび上がらせるもの。
また残念ながら、坂茂の<ペットボトル・ストラクチャ−>とアトリエワンの<コタツパビリオン>がなんでか展示されてなかった。
展覧会全体的に作品として「弱い」ものが多い印象。つまりおもしろくないどころか腹がたつ作品が多い。

クサマトリックスは、おばちゃん現代美術家、草間彌生の展覧会。
あまり知らなかったんだけど、この人のプロフィールを調べると、「幼少期にみた幻覚に触発され、絵画を描きはじめる...」だって。コワーイ。
で、展覧会の方もまさに幻覚ワールド炸裂という感じで、水玉模様や全面鏡張りや暗室やらで幻覚世界を演出。暗室のなかに小さい光が無数に浮かんでるやつが綺麗だった。

March 07, 2004

formula/池田亮司

Ryoji Ikeda/池田亮司さんのインスタレーション/アーティスト・トーク/コンサートへ。ダムタイプの音響担当等で知られる音響/作曲家。
名古屋市民ギャラリー矢田でインスタレーション、東文化小劇場でトーク、千種文化小劇場でコンサートという三つ巴企画でした。

★new audio/visusal installation piece_サウンド・インスタレーション
まずインスタレーションへ。ギャラリー矢田は、うちの大学のすぐ近くにあって、卒業制作展をしたりもする所。なので、世界の池田がギャラリー矢田て!もっといい所あったっしょ!というツッコミをいれつつ行ったわけです。ところがどっこい悪くなくて、第一展示室という15m×10mの天井高5mぐらいの部屋の中に、音&でかい映像プロジェクションという形式。内容としては、音と映像の同期とその速度が気持ちいい感じ。早めに行ったので人が全然いなくて独り占め状態に。これは最高に贅沢な気分でした。

★artist talk_アーティストトーク
トークは進行役の人が池田さんにいろいろ質問して展開。
印象的な話としては、今までの作品は音と状況(照明や無響室や細長い廊下など)で構成する作品だったのに対して、最近ではそこに映像という要素が加わっているがその違いは?というような問いに対して、「自分は作曲家だけど作曲するのはなにも音楽だけでなくて、音楽はバイオリンやチェロやピアノという楽器の関係で構成していくけど、それと同じように例えばバイオリンが映像に変わっただけで、音と照明と状況と映像等との関係で作品を構成することに興味があり、それはまさに作曲と同じ作業。」うろ覚えですけどこんな感じのことを言ってた。なるほどうまいこと言うなぁという感じ。
 また、「自分は作品を体験している人に意味を考えさせないような、意味を考えさせる前に胸ぐらをつかむような作品が好み。」とも言っていた。これは新鮮な発言だった。普段、建築世界にいるせいか、例えばこの壁がなぜここにあって、なぜこの素材で、この幅で、高さで、とかいうように、なにかしら意味づけて進む建築設計は、意味があるものを好み、意味がないものをできるだけ排除しようとする習性があって、それが染み付いている身としては、すごく驚きの発言で、アートとデザインの違いを考えさせられた。たしかに氏の作品には、そのようなあるスピード感をもった作品がほとんど。それがまた気持ちいい体験なのですが。
あと印象に残ったのは、なんといっても靴でした。コンサートのタイトルがformulaなんだけど、しっかりadidas/formulaを履いていた。狙ってるよねもち。

★formula[ver.2.2]concert_コンサート
千種文化小劇場に移動しコンサート。こちらも音と映像と照明という構成で、ステージには人っ子一人いないコンサート。なんていうかスゴかった。圧倒的すぎてポーとしてた。やはりポイントは同期と速度。カコイイコンサートでした。

映像編集を担当している000studioの松川さんと遭遇。実は一年半前バイトしに行ってた経験があり、お世話になった人。近況の話などをする。あいからわずパワフルな人だ。話をできてよかた。

そしてそしてなんとなんと会場に浅田彰さんの姿をハケーン!
怖くて話しかけれず。でもFLATの人達は話かけてた。積極的でうらやますぃ。

ダラダラと長くなってしまった。以上感想でした。

January 19, 2004

最近のお気になり

★自衛隊の派遣には反対とかそういうことじゃなくこの写真スゲーいい。

★深澤デザインが大好きなのです。これほしい。

リサイタルて!

January 08, 2004

ジャン・ヌーベル展

 
JN.jpgJNk.jpg
 
もう去年の話しだけど、ジャン・ヌーベル展にいってきました。
いやーカッチョイイです。とりあえずチケットからカッコよすぎ。(写真左)そして入るといきなり壁一面のスライドオンパレード!そのもくじ的な部屋を抜けると作品がイメージとテキストのみで展示されている。展示の仕方が、壁に貼られたシートに、そのカタチに合わせて四角いライティングがされているというありそで無かった感じ。このライティングがたまらなくカッコよいです。図面をほとんど展示せずにひたすらイメージが展示されているのは、ヌーベルいわく、建築系の人だけでなく、誰にでもわかる事を意図したらしい。それには大賛成だけど、ヌーベル知らない人には、逆に作品の全体像や詳細がまったくわからんだろうなぁ。にしてもヌーベルさんの絵は単純に絵としても最高カッコよかった。ってカッコいいって書きすぎ俺。ヌーベル最高!
 
かなりの作品数&濃ゆい展示内容のため2回も一旦会場を出て休憩をする。合計3時間ぐらい観てた。ついでに本も購入(写真右)
 
1月25日までやってるらしいです。行ってない人はゼヒ。ちなみに2月〜大坂に巡回するらしい。
 
オペラシティ内のジャン・ヌーベル展サイト
JDN内のヌーベル展リポート(写真あり)